マレーシア出張所御神体御奉斎式と現地視察

大阪支部 木原俊和(元世界救世教東方之光教団所属)

 

農薬使用の量に驚愕、御教え宣布の課題は山積

台風19号が去ってすぐの10月15日、晴れて私と同伴者のAさんは、マレーシアに向けて御神体御奉斎と現地視察のために出発でき、20日に無事帰国させていただきました。

メシヤ様の厚い御守護のもと、代表先生をはじめ、蔭ながらお祈りを捧げていただきました方々、ご支援をいただいたBさんに、心より御礼申し上げます。初めての海外出張で、尚且つ代表先生より名代としての任をいただき、みなさまとメシヤ様の御心に帰一することなくして成し得なかったことと、改めて感動と感謝が沸き起こってまいります。その充実した感動は今なお現地に赴いたAさんや現地のBさんが口にするところであります。

クアラルンプールにある御奉斎家Bさん宅の滞在中のほとんどは、念入りなる清掃を含めた御奉斎の準備やご仏壇の遷霊式などに時間を費やしましたため、現地視察は準備品購入と食事のための外出時ぐらいで、様々な宗教施設や農地を見る時間はありませんでしたので、現地の人たちを紹介していただいたりして、Bさんからいろいろと教えていただきました。

マレーシアはイギリスから独立し1963年建国の新しい国で親日国です。聞いていたようにとても陽気で明るく、一方ルーズな面も多いことなども体験できました。国土は日本よりやや小さく、人口は約2500万人で東京と大阪を足した人口です。5割がサービス業、工業4割弱、農業1割余で、田畑面積は約5.5%と、アジアの穀物自給率では、日本・韓国・マレーシアの順に三国は低さが際立っていますが、マレーシアはタイの1/5です。そのため米など周辺アジア国からの輸入で、様々な米が入っていて数種いただきましたが、農薬の味と食感を多々感じました。農薬など食品基準は日本並みですが、日本は「農薬はできるだけ使わないほうがいい」という考え方ですが、ある州では「使えるものはどんどん使おう」という考え方で、中には高い農薬を買えることを誇示するためにわざわざ旗を立てる農家もいます。

ビックリしたのは、現地の方々は、「地下鉄やモノレールは危険だから信用していない」そうで、乗るのは中流階級ぐらいだそうです。「自分の身は自分で守るしかない」という考え方が車社会に拍車をかけていますが、しかし、食の安全面についての認識は緊要の問題と感じました。無知なことと、例えば、出稼ぎ者や低所得者を雇い、低い人件費で大量の農薬を使用しているのが石鹸等に使われているパームヤシの油ですが、健康問題が多発しているためです。

また穀物のほかに農薬を多く使うカレー粉や唐辛子の使用が多く、鶏なども頻繁に食され、その飼育方法による脂やタンパクも大いに懸念されますし、発ガンを高めるオメガ6の食用油も非常に使います。もったいないので農薬で腐敗が早まった野菜も普通に使うのです。現地に赴いた日本人の主婦たちは「いかに農薬を落とすか?」という情報交換をしているそうですが、現地の方々は野菜専用洗剤が常用されゴシゴシ洗うとか、あるいは重曹で落とすなど懸命です。「マレーシアは農薬天国」と言う人もいます。

市内中心部は東京都心に負けない超高層ビルなどが次々建設されて美しい景観ですが、国の経済開発計画が工業にシフトしたためで、その一方、ファスト・フードの店も増え、安くないジャンクフードに若年層も群がるのは経済発展が著しいアジア全体の特徴です。かつて富国のため資本主義経済に走ったアメリカ、日本の後追いをしている感じがしますが、病気大国の二の舞いを踏まないように、まずは「食べ物の確保」が緊要の課題です。常に手にいれるには、人口一割を構する高所得層でもほとんど買わない高価なオーガニック野菜を百貨店などで買うしかありません。そうして、マレーシアの平均寿命は日本より10年短命で、心臓病がガンよりもずっと多いそうです。つまり血液がドロドロです。日本でも慢性疾患の原因となる動脈硬化になれば、それは自然には治らないものとされています。

そうしたことから敷地内のスペースに「自然自家菜園」を作ることを課題にしました。この国は至るところ赤い粘土で、敷地内の植物は粘土に根を張っていたので、常春である半島中央にある無農薬野菜農園などを訪れ、土の確保などから進めていかねばと思います。

同時に、メシヤ様の奇蹟によって、医学革命を推し進めていかねばなりません。この国は西洋、中東、インド、中国などからの医学がありますが、やはり治らない病気は西洋医学にと信頼しきっています。医学面でも、先進国のアメリカ、日本の二の舞いを踏まないように救いの力と智慧を広めていかねばなりません。日本のような薬害がわかった医師は見当たらないようですから、信仰面から進めていかねばならない面もあります。

「改宗なき」を伝えて、浄霊力を伝授するための創意工夫を

さて人種はマレー系が5割、中国系が約2割、先住民1割、インド人0.7%、その他で、宗教面では国教のイスラム教は6割、中国仏教(ほぼ観音信仰)が2割で中国系が信仰しています。そしてキリスト教1割弱、ヒンズー教、儒教などが続きます。しかし街ゆく人々を見ると何となくそれぞれが非難し合わず穏やかにやっているように感じましたので、Bさんに聞くと、第二次世界大戦後、ヒンズー教とマレーシアが血を流す闘争をした歴史があり、以降は争うことを嫌っているというような答えでした。

毎朝五時半に、スピーカーでイスラムの祈りの歌が流され、それで起こされます。晩まで一日五回です。主神様が位を落とされたものの、そのアラーの神を真摯に祈る心と声に、「私ももっとこのように祈りを捧げなければ」と反省しつつ、「いつかこのように街中に大々的に放送できるようになれば・・」と励みにもなりました。

人口2割の中国系マレー人は、大黒天様と観音様の信仰をされているので大歓迎されます。しかし、「日本の観音様」にたいして共鳴はしますが、自国の仏のほうを尊ぶのは致し方ありません。

滞在前半は仕事のパートナーを一人、また一人、五人、と紹介してもらい、御奉斎式の晩のパーティーでは子供25人、大人18人が次々来られ、1階の広いリビングはアチコチ一杯になりました。私たちも名刺交換したりしますが、まずは「親交」が第一なのです。私はときどきプールに出て拙い会話をしていましたが、そのうち同伴者をつれて二階の御神前にご案内したり、すでに親交があるBさんは大勢を御神前に連れてきて、観音様のこと、自らの体験、主神様、メシヤ様のことを伝えてくれています。あるデザイナーの方は「日の象形文字でしょ?天照大神様でしょ?」と発言したり非常に驚かされました。名刺を作っていただいた方が、膝の半月板がスポーツで擦り減り、名医による手術が決定していましたが、浄霊を受けて、「熱くなった」と動きやすそうに動いていました。

中国系の方々に「スノオオミカミサマ」「メシヤサマ」は説明に難しい課題であります。「神」という呼び方を変えることで、問題が生じた事例があります。あるキリスト教派の宗教が、マレーシアの方々がわかりやすいようにと「GOD」を国教のイスラム教でいうGOD、すなわち「アラー」に変え、そのためイスラム教から猛抗議が起きました。英語でメシヤを「メサイヤ」と言いますが、メシヤ教が「メサイヤ」という御神名および解釈をつけると、キリスト教イスラム教から抗議がくるか、もしくは偽メシヤと流布される可能性もありますが、この点は結果によって覆っていくものとも思います。

現地の様々な宗教の信徒にとって、日本の宗教はまだ弱小です。そしてみな何かの信仰をされています。

神仏観、思考性などをよく調べ、現地の協力者の意見も参考にしながら、「伝える」ことの創意工夫案もどんどん出てまいりました。メシヤ様の御力が発揮いただけるように御取り次ぎが許され、そしてメシヤ様の御存在と御教えが受け入れられていけばと思っておりますが、「改宗無き」ということをもって、入り口は「病を無くす」ことが主眼と考えています。それゆえ誰でもできる「真の農業」もやりやすくなります。そうしたのちに、おのずと『メシヤ』様と認識され声が上がっていくものと思い、応じて宗教の教えの本質が見直され、天国化の実利をともなって改革的に帰一されていくものとも考えています。実際は多くの楽しみな困難が待ち受けていることでしょう。そこで(仮称)Meshiya Associationを設立しました。どなたも受けにきていただきますし、御浄霊力の伝授もさせていただけますし、礼拝所で簡易礼拝もできます。

そうして、上位にあたるメシヤ教の施設もいずれ将来設ける予定で話が挙がっています。

日本にいて日本を見るときとは違い、世界にいて世界を見るときには、やはりカラーも違います。

施設での内容について、現地に合ったやり方であれば救われていくでしょうが、たとえば「国王の写真の下に神様のお写真を」となれば御力は減殺され神様に合わなくなってしまうとも考えられ、バランスよく両方良いという塩梅(あんばい)を、じっくり焦らず見つけ出していこうと話合っております。

組織形態については形態よりもその内容に熟慮を重ねていかねばならず、組織面もまだ雲泥の状態であるものの、課題がだんだん見えてきたことの一端を書かせていただきました。

次回に良きに繋がる報告が許されますようにと、さらに精進してまいりたいと思っております。

以上をもちまして、「マレーシアを救う」ための第一歩の報告とさせていただきます。

 

[御蔭話(御神業の変遷) メシヤ講座・特選集no.165  2014(平成26)年10 月]

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