メシヤ講座・特選集no.71(平成18年12月分)

<御教えより>
医学試稿

(1939年文創のまま)

第二篇  病気

病気の真因

病気といふものを一言にしていへば、『生の為の浄化作用なり』である。元来、人間が健康を保持し、生活を営みゐる条件としては、或程度全身が清浄でなければならないのである。何となれば、血液を初め、新陳代謝の完全に行はれるには、汚濁があってはならないからである。であるから、自然は、飽迄(あくまで)その汚濁を排泄せんとして、浄化作用がおこるのである。そうして、浄化作用の表れが発熱となり、痛みとなり、不快となる。嘔吐、下痢、咳嗽、喀痰、鼻汁、出血等、凡て苦痛は伴ふものである。この浄化作用へ対して、今日迄悪い意味に解釈し、是等苦痛作用緩和又は停止せんとして、発達して来たのが医術を初め、各般の療病法である。従而、言を換へていへば、既存療法は“浄化作用の停止”が目的であって、汚濁の排泄をとどめんとするものである。その最も世人の熟知せる事実は“病気を固める”といふ言葉―、それは汚濁の排泄を留め、固結せしめる方法である。再発とは、右の如く一旦固結した汚濁―即ち病毒は、再び浄化作用発現によって、病的症状を呈する―それをいふのである。之に就(つい)ての実際と理論を次に述べる事にする。

(本稿はこの後「病気の実例」へと続きますが、今回で終了します。次回からは『文明の創造』(未定稿分)を順次掲載いたします。)

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「メシヤ降臨祭」に寄せて

メシヤ教  楳木和麿

感動と感謝と喜びに沸いた平成18年

大御神様、メシヤ様のお導きを賜わり、平成18年には北海道や中京地域をはじめ全国の願っていた場所に支部や布教拠点の開設が許され、感動と感謝と喜びに沸きました。心からなる感謝を申し上げます。そして、信徒の皆様の真心からなるご奉仕に敬意を表します。

このことにより、「メシヤ様の大御光を取り次ぎ真理の教えを宣べ伝える」という取り組みが今後一層拡充し、より多くの人々がメシヤ様の大愛に包まれ、その恩恵に浴することができるようになります。

また、御神業にご奉仕することを通して、信徒の皆様が浄霊による鮮やかな奇蹟に遭遇し、しかも自らの浄霊力強化を体得されつつあることの報告が相次ぎました。これは、祭典や行事で体感する御光の強まりと相俟って、この上なく素晴らしいことです。

お互いに心から讃え合いたい、と思います。

世の趨勢(すうせい)から平成19年の課題が浮き彫りとなる

しかし、目を世に転じてみますと、深刻な問題ばかりが横たわっております。それはそのまま平成19年の課題と受け止めねばなりません。

まず「拝金主義」の汚染によって、世は乱れております。このことに釘を刺そうとして検察は国策捜査でライブドア社長の逮捕に踏み切リ、裁判は大詰めを迎えております。その他世間を騒がす逮捕劇が続いておりますが、この汚染は公僕たる官僚にまで及んでいることは周知の通りです。

しかも深刻なことは、こうしたことが教育の場に暗い影を落としている、ということです。今、いじめやそれに伴う自殺など学校で起きている問題は、教員の質の問題もありますが、主原因は家庭教育の放棄にあります。(虐待をはじめとする悲惨な事件が後を絶たないことなどは論外です。)これは、敗戦後の価値観の転換に加えて高度成長期に育った親子間から生じ始めた問題です。肝腎なことを教える家庭教育よりも経済を優先してしまったのです。

卑近な例を引けば、たとえば「勉強したの?」と子供に言う親の問いは、立派な人格を養うためのものではなく、高学歴を目指すことや、親のできなかったことへの‘リベンジ’でしかないとさえ思わされます。「国家の品格」がベストセラーとなった背景には、‘このままではいけない・・・’と年配者にヒタヒタと押し寄せる不安感の表れがあるように思われます。

一方、若い方々の質問から感ずることは、キチンとしたことを教えて貰うことを渇望しているということです。それはテレビ番組の「オーラの泉」や「ズバリ言うわよ」について感想を求められることが多いからです。

「かつて‘拝み屋’‘イタコ’と呼ばれる霊媒師は一般社会からは‘特殊な人’に見られ、敬われ畏れられる反面‘怪しい人’‘いかがわしい人’として敬遠されていた・・ところが・・(江原啓之氏や三輪明弘氏ら)スピリチュアリストたちの多くは、ダークなイメージはほとんど持っていない。」(精神科医・香山リカ氏)という分析は言い得て妙なりというところです。番組で解説する神の名を除けばダークなイメージを払拭させる大きな役割を果たしてきたと思われます。

また、細木数子氏から叱られる若い女性の姿には、興味深いものがあります。氏の履歴や語る内容は別として、自分の行動や考えを頭から否定されたとしても必死に耳を傾けようとしている女性達の表情から‘何を求めているのか’ということを容易に推測できます。またそのことで日常の親子関係も手に取るように判ります。

教・論・律を提示しない宗教の形骸化

家庭教育のみならず、本来人間教育を担うべき宗教も課題を抱えております。原則である「教・論・律」を提示することができなければ「生きた宗教」とは言えず、謂わば形骸化した団体となってしまいます。

今年は「臓器売買」事件が耳目を集めましたが、日本で臓器移植医療が遅れているということはある意味で正常なのです。法的整備云々と論ずる人もいます。しかし、日本で移植医療が遅れた本当の意味が忘れ去られようとしています。これが最も由々しきことなのです。

札幌で行なわれた日本初の心臓移植後に、震撼すべき事件が起きたことを今も鮮明に覚えています。それは、臓器提供者が霊界で味わったものと、移植手術を受けた側の患者が霊界で味わったものでした。その両身魂が日本人へ問い掛けたものは、二元論に対する否定でした。

デカルト以来、精神と肉体を別けてそれぞれの存在を捉えることによって、やがて肉体を物として扱うようになり、そのことによって一面医学は進歩したことになっています。

しかし、その一方で、臓器移植医療先進国の米国で起きている問題は、「2度目の心臓移植手術は望まない」と考える患者が増えているということです。やはり他人の臓器は何処までも他人のもので、自分の臓器とは一体にならない、ということです。例えば、緊張しても‘ドキドキ’しない、という現象から、自分にとって‘異物’としか思えない人が増えているという報告は、大きな問題提起となっています。

これについては、メンタルケアで対処しようとしているようですが、根本的な解決へは繋がらず、人間の存在について大きな課題を残しています。

これに引き換え、広島大学で開発された「自分の歯を冷凍保存しておき、老後に自分に対して移植する」という治療法は、噛み応えが生まれるというものです。これは、矯正治療などで歯を抜く場合に神経を殺さずに冷凍保存する技術の開発によるもので、しかも下前歯を除いて加工して他の位置に使用できるということです。

メシヤ様は歯そのものの治療だけは医者に委ねておりますので、画期的なことの一つとして検証してゆかねばなりません。

益々メシヤ様の御教えが求められている

また、うつ病をはじめとする精神疾患を患う人が日に日に増えていると報告されるなど、日本人の精神生活は憂うべき現状にあります。

これは成長過程でストレスを解消する術(すべ)を身に付けることができなかったことが主原因です。先ほどのように家庭教育が放棄されたことと関連して、情操教育の根幹が崩壊してしまっているのです。現代人の最も不幸な部分です。

それに加えて、民主主義の履き違えから来る勘違い、経済至上主義やマスメディアによる価値観の変貌が精神疾患の増加に拍車を掛けています。小泉政権の下で行なわれた構造改革は、日本社会に多少の好転をもたらしましたが、結局はアメリカ型の社会を作り出し‘負’の部分を余りにも残してしまいました。

今期の好景気はいざなぎ景気を超えたと解説されていますが、実体を伴っていません。伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏は次のように述べております。

「いざなぎ景気では30人以上の従業員を抱える事業所の定期給与は79%アップしたが、平成景気で給与が上がったという話はあまり聞かない。・・・わずか0.1%の大企業が、全体の57%の利益を稼ぎだしている。残りの4割の利益を99%の企業が分け合っているのが現状だ。従業員でいうならば、87%の従業員が4割の利益で生活しているのが真の姿だ」

様々な報道から受ける感慨と現状の相違は、こうしたことから生じるのです。そこはかとない閉塞感を拭いきれない原因でもあります。8年連続で自殺者が3万人を超えている要因でもあります。閉塞感ということで付け加えるならば、「インテリジェンス 武器なき戦争」(手嶋龍一/佐藤優・幻冬舎新書)や「永遠のゼロ」(百田尚樹・大田出版)に見る官僚の無責任さがそれらの背景にあります。

また、目をアジアに転じると、テロや貧困、エイズなど益々危機的な事態に直面しています。エイズ感染者については余り報じられませんが、昨年の南・東南アジアの感染者は780万人で死亡者は59万人というのですから、背筋が寒くなります。

テロや貧困については関係国が協力して、英知を絞って秩序づくりに努めてゆくしかない訳ですが、テロには宗教も大きく関係していることは事実です。端折(はしょ)った言い方になりますが、世界平和と安定を揺るがす危機が深まっている現在こそ、メシヤ様の御教えが求められていることを痛感いたします。

そして本来の意味での「帰一」の取り組みを進めなければならない、と痛切に思います。

私達の自覚と行動力こそが大切

山積する問題を目の当たりにして、私達は御教えの重要性を再認識するが故に、「救いの手」をより一層差し伸べてゆかねばならないと強く考えさせられます。また、御神業にご奉仕させていただく私達ですが、私達自身もこうした時代の濁流に流されていることも事実です。少しでも気を緩ませると、汚染されてしまいます。

私達は正常な判断力を絶えず養い、世の中を見つめてゆかねばなりませんし、世の中の影響を日々受ける中で自分の目も曇らされているということに自戒の念を持っておかねばなりません。

それ故に、今以上に浄霊にお取り組みいただいて、御教え拝読とそれに伴う『信仰即生活』の具現化を目指していただきたいのであります。そして、何よりも唯物思想から脱却するための要である「神中心の生活」を維持するために、各支部の月次祭を生活の最重要ポイントに位置付けていただきたいのです。

そして、更なる自己変革、生活改善を御教えに沿って目指していただけるように、お祈りいたします。

「世界救世(メシヤ)教 復興事業」を開始

私は、7年前にメシヤ教の御神業を始めるに当たり、「世界救世(メシヤ)教 復興運動」として展開する予定でした。しかし、『まず本来の宗教活動の見本を提示するように』という神様のご指示があり、教団紛争の真相を暴露する書籍の出版計画等を中止いたしました。そして、ゼロから布教活動に取り組んでまいりました。

全くのゼロからのスタートでしたので、あるサイトからは「個人レベルの活動のよう・・」と軽視され、前所属教団からは「ママゴト的活動」と揶揄されましたが、草創期の追体験をさせられた感懐を持っています。

また、わずか数人の方々でしたが私の取り組みを支持してくださいました。その方々には、前教団から非難中傷を受けるなどの大変なご苦労をお掛けいたしました。しかし、七年が経ち、数霊学の通り準備が成り、活動の基盤が整いました。時期の到来と共に「運動」から「事業」化することに相成りました。

平成19年早々から、これまでのメシヤ教としての御神業に加え、

 「世界救世(メシヤ)教 復興事業」

として取り組みを開始いたします。

何故この事業が急浮上して来たか、と不思議に感ずる方もいらっしゃるかと思います。実は、ここ数ヶ月間にメシヤ様を教祖と仰ぐ教団でありながらも、本来のメシヤ様の愛に包まれることなく、「信仰地獄」に陥り苦しんでいる方がたくさんいらして、その方々へお会いしました。「何ということか!」という衝撃を受けるほどの様相でした。

その方々の救済へ取り組みつつ、「何故このようなことが頻発するのであろうか」という疑問が胸を突き上げてきました。もとより現・世界救世(きゅうせい)教の現状は「いづのめ」のブログで知られるように悲惨な状態です。

神様からこれほど偉大な御力を賜わり、これほど真理に透徹した御教えを賜わりながら、その任を果たし切れていないことは非常に残念なことです。同時に、人類にとって多大な損失であります。

先ほど来指摘したような時代の実相に対して、教団としての「教・論・律」を提示する取り組みを怠ってきたツケのように思われてなりません。(しかし、これは善意に解釈した上での話です。)

やはり、『開教の辞』で述べられた『悪のトドメ』に対する阻止策・防御策であろうと考えることが妥当であると思われます。メシヤ様ご自身でさえ、「ご法難」、「ご法難の再発防止という名目下での御神業への制約」、「ご法難の後遺症による短命化」と、上手に邪魔され続けました。まして人間おやであります。

その結果、本来の在り方から逆行することを強いられたのです。

行使できる力が強いだけに道を踏み誤る危険性も多い、ということは御教えに説かれている通りです。ここは厳として、「宗教の使命」を果たす働きかけをせねばなりません。もっとも、全ご論文、問答形式の全御教え、全詩歌集を持たぬ教団があることも確かなので、著作権の消滅した今は共有化を図らねばならないということも必要ではあります。

何故なら教団紛争があったからこそ、私もそれら全てを手にすることができたからです。この点だけ、唯一「教団紛争は浄化であった」と受け止めることができます。浄化の後は必ず良くなる訳ですから、大いに改善してゆかねばなりません。

『開教の辞』で示された課題である『各般に渉って漸次組織形態は固より、活動の形式も新しく生れるのは勿論である。』、『(御神体や御守りなど)時期の推移に従って漸次発表する段取りとなる』、『全世界を救はなければならない。とすれば世界的に拡充する必要がある。世界救世(メシヤ)教の名に因る所以である。』について、私は7年の歳月を掛けて検証を重ね、確信を得ました。

それに基づいて平成19年の御神業を推進させていただくために、「事業化」の話が加わったのです。

御心を受け継ぎ、実行しようと決意する人々と手を携えて

『観音講座』の第一講座『主神の御目的と天地経綸の真相』では冒頭に次のように述べられています。

『是(こ)れから説く事は世界の大秘密である。それを愈々(いよいよ)暴露するのであります。今迄は夜の世界であった。それ故諸々(もろもろ)の穢(きたな)い事が匿(かく)れて居(お)ったのであるが、観音様が此の世に現れた為に霊的に日が出た事になり、愈々秘していたことが眼に見えて来た。其(その)見えて来た儘(まま)をお知らせするのであり、それで今迄の迷いを去り、不安を除き去るのであります。』

メシヤ様は最高位のご神格の下に絶対力を行使すると共に、そのご生涯を懸けられて『大秘密を暴露する』ことに努められました。そのご生涯には凄まじさを感じますが、特に『判らんお経を唱えられて、有り難いなぞとは一種の変態心理だと思う』とまで述べられているところは、圧巻でさえあります。

その御心を受け継ぎ、実行しようと決意する人々と手を携えて「世界救世(メシヤ)教 復興事業」を展開してまいります。それが本当の意味の『超宗教』的活動に繋がる道です。

平成19年も御神業を皆様と共に担わせていただくことをワクワクしながら楽しみにいたしております。(平成18年12月23日の「メシヤ降臨祭」お話の骨子を一部割愛し加筆いたしました。)

 

「世界救世(メシヤ)教 復興事業」 

趣意書

1. 昭和25年2月4日に開教された「世界救世(メシヤ)教」を復興し、派生した教団を統合し包括被包括の関係を構築し、人々がメシヤ様の恩恵に普遍的に浴することのできる体制をつくる。

① 経典の編纂を執り行ない、御教えの共有化を計る。
② 「開教の辞」で示された内容を具現化する。
③ 具体的救済事業を推進する。

2. メシヤ様を教祖と仰ぐ教団が起こす問題への対策を進める。

① 反社会的行動について是正を促す。
② 反社会的行動の犠牲となり、被害者となった人々を具体的に救済する。
③ 全教団の情報交換を促進すると共に、本来の宗教活動の在り方を提言する。

3. 自然農法の普及を図り、人々の食の安全に寄与する。

① 自然農法実施者の育成(農業者へ本来の自然農法を指導する)。
② 自然農法の普及(消費者へ本来の自然農法を指導する)。
③ 生産・流通・販売のシステムを確立しつつ、進捗と共に各教団へ生涯を捧げた人々に寝食の場を生産地で提供する。
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